麻婆豆腐の名前の由来は有名な話で、「麻」は「痘痕(あばた)」という意味、「麻婆」は「痘痕のおばあさん」という意味です。
清の時代、成都の郊外で陳興盛飯舗を営む陳森富の妻の劉氏が材料の乏しい中、有り合わせの材料で来客向けに作ったのが最初とされ、陳劉氏の顔にはあばたがあったため「陳麻婆」と呼ばれていたので、彼女が作る名物の豆腐料理も「陳麻婆豆腐」と呼ばれたと言います。
でも「麻」は花椒の痺れる感覚のことも指すため、もしかすると痺れるほど美しいお婆さんの豆腐料理だったのかもしれません。
いや「痘痕(あばた)」は日本語で「えくぼ」とも訳せるようで、ひょっとするとえくぼが可愛いらしいお婆さんの料理なのかもしれません。
ともあれ、麻婆豆腐は日本で一番慣れ親しんだ中国料理と言っても過言ではありません。
これからも愛され続けてほしいですね。
というわけで今日のひと品は、韮の持つ豊潤な香りを存分に堪能でき、熱々麻婆飯で口の中をヤケドに追い込み、食後はあまりの韮口臭にナチャラルソーシャルディスタンスが出来上がるというゴキゲンな韮麻婆豆腐です。
でももしも叶うのであれば、世界中で愛され続けているこの麻婆豆腐の事実をデロリアンに乗って150年前に戻り、えくぼの可愛らしいお婆さんに伝えてあげたくなる。そんな気持ちにさせてくれる麻婆豆腐でした。
中華一筋厨房は今日も賑やかで和やかです。
≪食材 調味料≫ 木綿豆腐(塩)、韮、摺り下ろしにんにく、ピーシェン豆板醤、辣椒粉、鶏がらスープ、紹興酒、醤油、胡椒、豆豉醤、炸醤(豚挽肉、紹興酒、醤油、甜麺醤)、大豆油、花椒油、豆板老油、水溶き片栗粉、白飯、花椒粉
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